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リレーエッセイ3月 essay

夢をもつということ                        後藤 環


私の子供の頃の夢は「アイドル歌手」
この夢のきっかけを作ったのは母で、
物心ついた時から人見知りが激しい私の性格を
どうにかしようと考えた母がとった作戦は「歌」を習わせることで、
小学校1年生の時に声楽の先生の門をたたきました。
その母の思いは成功し歌が大好きになり、見事、人見知りも解消。
買ってもらったおもちゃのマイクを離さず、歌って踊る毎日。
中学を卒業したら東京に行って学校に通いながら絶対歌手になる・・・。
そう心に決めた子供時代でした

歌が好きだったというのはもちろんですが
今考えると「マイク」が好きだったのかもしれません。
小学校の学芸会で初めてマイクを通した自分の声に感動し、
新しい発見をしたのを覚えています。
でも結局は熊本で中学、高校時代を過ごし、
大学は東京の某音楽大学の声楽科に進学。
4年生になり「さて、就職をどうする?」となった時に
やっぱり忘れられなかったのが「マイク」でした(笑)
そこで何かマイクがある職業はないものかとふと考えた時に
「あ、アナウンサーはいいかもしれない」と単純に決めて
大学とアナウンス学園に通う日々・・・
しかし新たな世界で勉強することは山積みで
半端な気持ちでは出来ないと実感しました。
実際に始めてみると、どの仕事もそうですが
1つの仕事を完成させる為には準備、取材、台本書きなど
たくさんの時間が費やされる。
「見た目華やかな世界で、色んなところにも行けて面白そう」
こんな思いは1日で覆りました。

放送業界は「モノ作り」に似ている所があり
1つの番組という作品を、ディレクター、放送作家、技術の人たちと一緒になって作り「いいもの」が出来上がった時の達成感が半端なく感じられる場所
そして、色んな人たちとの出会いの中で様々な考えや知識を得ることが出来る・・
これが今日まで私が続けてこられた理由かもしれません。

よく「アナウンサーになる為には、どんなことをすればいいですか?」
と中学生、高校生に聞かれることがあります。
私はこう答えます!
「何に対しても好奇心を持って、興味を持った事に自分でまずは体験してみてください。
映画や音楽に没頭してみるのもよし!
人を好きになり恋をしてみるのもよし!
色んなものを得て、時には失くして、笑って泣いて・・・

放送界は「伝える」というのが仕事です。
こんな時にはこんなうれしい気持ち、
こんな時にはこんなにも悲しい気持ちになるという
自分の感情を見つけることが大切。
そうすれば伝える言葉も、上っ面の言葉ではなく、
聞いている人の心にきちんと届く言葉になると思います。

私がこの仕事を始めた時、尊敬する先輩からこう言われました。
「アナウンサーになるのに知っていて損な事は一つもない」と!

3月は卒業、入学シーズン
たくさんの夢を待って、これから新しい世界に飛び出す若い力にこの言葉を送ります!
「夢は好奇心から生まれる」




 国際ソロプチミスト熊本−すみれ

<例会日>
 毎月第3木曜日 午前10時〜
<例会場>
 ANAクラウンプラザホテル
     熊本ニュースカイ

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